編み物の歴史と特殊な編み方
世界の編み物の歴史
編み物の明確な起源ははっきり分かっていませんが、4~5世紀前後のエジプト遺跡からメリヤス編みのソックスや人形の帽子などが発見されていることから、古代エジプト時代にはすでに編みものの歴史が始まっていたと思われます。
つまり、編み物の歴史は繊維よりも古い歴史があることは確かです。古代エジプトから商人たちを通してヨーロッパ地方に広まり、その後、現在でも棒編みにフランス式という技法があることからフランスを中心に編み物の技術が発達したと考えられています。
しかし、フランス式以外にもアメリカ式やポルトガル式など国ごとの技法があるので、ヨーロッパ地方では編み物が盛んに行われていたとも言えるでしょう。
特にアイルランドでは、手編みの靴下やセーターなどを輸出していた時代もあったと言われています。このように編み物には古い歴史があることが分かります。
日本の編み物の歴史
日本に羊が初めて来たのは、明治2年と言われています。北アメリカから8頭の羊を買い入れ、明治半ばには宣教師を通して編み物が教えられるようになりました。
それと同時に明治初期には、イギリスで16世紀末に発明されたメリヤス編み機が輸入されました。大正12年頃には、ガーターとメリヤスが編める機械が日本でも開発され、それ以降、改良を重ねつつ、編み物の教育にも力が入っていきました。
第一次世界大戦後は、ニットセーターやカーディガンなども編まれるようになり、昭和29年には家庭用の編み機が発売されて編み物が一気に広まりました。現在ではさまざまな素材の糸で編み物を楽しむことが可能となっています。
特殊な編み方とは?
編み物の編み方は、先端がフック状になった針を使用した「かぎ編み」と、2本以上の細長い棒を使った「棒編み」、長いかぎ針で編む「アフガン編み」などが主流です。
しかし、編み物には特殊な編み方もあります。それは伝統的な模様です。日本でもすでにお馴染みのケーブルニットは、アイルランド西部にあるアラン島の伝統的な模様を編んでいます。
さまざまなケーブル編みがありますが、それにはねじりパンのような”シンプルケーブル”、三つ編みのような”プレートケーブル”、ドット模様のような”ハニカム”などさまざまな特殊な編み方があります。
また、たくさんの色を使用した「編み込み」という特殊な技法もあります。好きな柄をデザインとして編み込む技法も人気ですが、伝統的な編み込みもあります。